最近施術の際に「更年期症状」をよく耳にします。
今日は増加傾向になりつつある、更年期症状についてお話しできればと思います。
1.更年期障害とは？
更年期とは、生殖期と非生殖期の移行する時期のことを言い、卵巣機能が減退し始め、消失するまでの期間です。
時期としては一般的には、閉経前後の１０年ほどです。４０代前半頃から症状が出始める場合が大半ですが、出ない方もいらっしゃいますので、個人差があります。
2.原因
更年期障害の主たる原因は、エストロゲンの血中濃度が低下していくことです。
女性ホルモンは脳の視床下部からの指令により卵巣から分泌されます。
『視床下部』は様々なホルモンの分泌をしており、体温調節や呼吸、消化機能の調節、精神活動などを司る自律神経のコントロールしている重要な場所です。
エストロゲンは卵巣から分泌される女性ホルモンで更年期になりますと、この卵巣機能が低下する事に伴い、エストロゲンの分泌量が減少してしまいます。
分泌の低下を脳が感知する事により「自律神経のバランス」に乱れが生じてしまいます。
加齢やエストロゲンの欠乏の身体的ストレス、社会的、心理的要因により更年期症状を引き起こすと考えられています。
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3.症状
更年期障害の症状には、血管運動症状、精神的症状、身体的症状の３つの症状があります。
3-1血管運動症状
のぼせや顔のほてり（ホットフラッシュ）、大量の発汗、寝汗、むくみ、動悸、息苦しさ、疲労感、頭痛、肩こり、めまいなどがあります。
3-2精神的症状
気分の落ち込み、なんだかだるい倦怠感、イライラしやすい、意欲が低下している、不眠、食欲の低下が見られます。
3-3身体的症状
腰痛、関節痛、筋肉痛、冷え症状、疲れやすい、湿疹、かゆみ、排尿障害、頻尿喉の渇き、ドライアイ、吐き気、下痢・便秘、胃の不快感・胃もたれ、胸やけ、月経異常が見られます。
4.更年期の対策
4-1食生活
更年期の時期より女性ホルモンの急激な現象によりエネルギー、脂質、骨の代謝にも変化を及ぼし、栄養の過剰・欠乏の状態になってしまいます。
これを食べれば大丈夫と言うことではなく、バランスの良い食生活にすることが重要です。
4-2運動
主には有酸素運動ですが、ストレッチ、ウェイトトレーニングを取り入れるのが理想的です！
こちらも今日明日すれば良いのではなく、継続することが重要です！
4-3病院・クリニックでのホルモン補充療法（HRT)
エストロゲン欠乏によるのぼせ、火照り、発汗などの症状はもとより気分症状、関節痛の症状に対して幅広い効果が認められており、QOLの向上に向けて期待されています。
4-4サプリメント・市販の医薬品でのケア
①大豆（イソフラボン）
今までも食品、サプリメントとして用いられてきています。
高濃度のフィトエストロゲン（ダイゼイン、ゲニステイン）が含まれており、エストロゲン作用を起こしていると考えられています。
更年期症状に対しては僅かな変化と言われていますが、心血管系、骨代謝にはいい影響を与えてくれます。
②大豆イソフラボン代謝物（エクオール）
大豆イソフラボンの一種のダイゼインから腸内細菌で作られる活性代謝物（エクオール）を１０mg／日摂取する事によりほてり、肩こり等の更年期症状、骨、メタボリックシンドロームや肌の老化に影響があると言われています。
＊エクオールとは？
エクオールはエストロゲンとよく似た働きをする成分で、
- 女性ホルモン人た働きをする「エストロゲン様作用」
- エストロゲンが過剰なときにはその作用を抑える「抗エストロゲン作用」
- 男性ホルモンであるアンドロゲンの働きを抑える「抗アンドロゲン作用」
- 体を錆びさせない「抗酸化作用」
等が認められています。
4-5鍼灸施樹
鍼灸施樹にて期待できますのは、自律神経の調整が期待できます。
自律神経には、「交感神経」、「副交感神経」があり、呼吸、心拍、血液循環、消化吸収などの生理現象をコントロールし、身体の器官が自律神経に作用されています。
更年期症状の訴えが強い方は交感神経が優位な症状・状態になっている方が多く見られます。
そうするといつもアクティブな状態になってしまい、常にストレスがかかりっぱなしで休めることが出来ていないです。
鍼灸施術により副交感神経の状態を高める事が重要になってくるように考えます。
更年期症状で、変化が分かり辛く感じる部分ではありますが、何をしてもよくならない方は１度鍼という選択をしてみてください！
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